インターネットを契約する上で検討するのが光電話です。
ただし光電話は昔からの黒電話と同じと思っている人がかなりいるようですが、多くの違いがあります。
ここではいまさら人に聞けない光電話、IP電話について徹底的に解説していきます。
このページでは、消費税の総額表示の義務付けにより、価格は全て税込での表記になっております。
アナログ電話と光電話について
近年携帯電話の普及に伴い利用者が減ってきていますが、それでもやはり家族のいる方などの固定電話の利用率は高いままです。
ここでは自宅や職場の固定電話、アナログ電話と光電話について解説していきます。
アナログ電話とは
アナログ電話はアナログ信号で通信するNTTの公衆電話回線網を利用した電話回線で、メタル線を使って信号を送っていますが、その中でもダイヤル回線とプッシュ回線に分かれています。
ダイヤル回線はダイヤルを回転したときの音で信号を送信し、プッシュ回線は「ピッ・ポ・パ」といった音で信号を送信します。
一部の電話機ではダイヤル回線とプッシュ回線をスイッチで切り替えないといけませんでした。
アナログ電話のメリット
アナログ回線は基本的に電気を必要としません。
電気を必要としない電話機(黒電話など)の場合停電時でも電話を利用することができます。
また、NTTが国営の時期に全国に電話線を広めたため日本中のほとんどの場所で電話を利用することができます。
アナログ電話のデメリット
デメリットとしてアナログ電話は電話回線1本に付き1番号となっています。
仕事などで、固定電話とFAXで電話番号を分けなくてはいけない場合には、もう1本番号を利用する場所に引き込む必要があります。
当然ですが2本の電話回線を使うので料金も倍となってしまいました。
また一番大きな問題として今後アナログ電話が廃止の方向に進んでいるということです。
NTTからの発表では2024年1月よりIP電話に順次移行、採取的に廃止の方向となるようです。
詳しくはADSLが廃止・終了!そのあとのインターネットは?を参照してね。
IP電話(光電話)とは
そしてもう一つ、光ファイバーを使って始まっているサービスがIP電話(光電話)サービスです。
アナログ電話はNTTの公衆回線網を利用して通話をするのに対し、IP電話はインターネット回線を利用して通話をします。
会社によって呼び方が違うだけ、ただし光電話の中には2通りの電話番号があるんだ
IP電話、光電話、ひかり電話、色々と呼び名がありますがすべて同じものです。
光電話とひかり電話の違いについてはNTTが提供しているサービスが光電話と呼ばれ、その他の会社が光ファイバーを使って提供する電話サービス(auひかり等)がひかり電話とされます。
音声データを変換し、インターネット回線を使って通話をするサービスをIP電話といいます。
IP電話の電話番号
IP電話は0AB-J番号と050番号の2通り電話番号があります。
個人宅で固定電話として利用されているのが0AB-J型、業務などで利用されることが多いのが050型となっていて、それぞれ特徴があります。
0AB-J型(ゼロ・エー・ビー・ハイフン・ジェイ型)IP電話
0AB-J型とは「03」「06」などの番号で始まる番号で、通話品質も良く一般の加入電話で利用される番号です。
0AB-J型の特徴として「市街局番-市内局番-個別番号」となっているので、電話を受けた側は大まかな地域を特定することが出来ます。
市内局番も同じ?
また、0AB-J型の条件として「緊急通報や災害時の有線通信ができること」「FAX通信ができること」などの機能が利用できることが決められています。
050型IP電話
050型IP電話に割り当てられる電話番号で、0AB-J型と違い
「IP回線-事業者の識別番号-個別番号」となっているので地域を絞り込むことはできません。
また、0AB-J型と違い緊急通報などが利用できないといけないといった規則はありませんし、利用品質も0AB-J型よりも厳しくありませんので取得は比較的簡単ですが、0AB-J型よりも通話時の遅延なども多いため050番号の利用者は減ってきています。
IP電話の品質クラス
総務省はIP電話の通話品質を以下の3つのクラスに分けています。
クラス | 品質 |
---|---|
クラスA | 通話品質が一番高く遅延の少ない従来の固定電話と同様の品質 |
クラスB | 携帯電話と同様 |
クラスC | クラスBを下回る品質 |
050番号はクラスCとなり取得は簡単ですが通話の遅延など品質はアナログ電話や携帯電話に劣ってしまいます。
また、0AB-J型は「緊急通報や災害時の有線通信ができること」「FAX通信ができること」などの機能が利用できることが条件でしたが、050番号は条件に含まれていないため、緊急通報などに電話をかけることが出来ません。
光電話のメリットとデメリット
最近利用者が増えている光電話ですがどのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきます。
光電話のメリット
光電話のメリットは大きく分けて以下の3点です。
- 通話品質が良い(0AB-J型に限る)
- 同じ会社同士の通話料金が無料
- 基本料金・通話料金が安い
OAB-J型に限りますが、アナログ電話と同様通は品質が良いのが光電話の特徴です。
また、光電話のの中には同じ会社同士であれば、通話料金が無料というサービスがあります。
ソフトバンク光のBBフォンは、BBフォン同士の場合通話料金は無料となります。
光電話のデメリット
通話品質も良く通話料金も安い光電話ですが当然デメリットもあります。
光電話の主なデメリットは3つ
- 通話時に遅延が発生する場合がある
- かけられない電話番号がある
- 番号によっては社会的信頼性が低い
電話で通話をしていて相手の声が遅れて聞こえてくることを「遅延」といいますが、相手の声が遅れて聞こえてくるのは、相手もしくは自分がIP電話を利用している場合です。
0AB-J型は通話品質が定められているため、ほとんど起こることはありませんが、050などの0AB-J型以外の電話番号は規則がないため、まれにこのような遅延が発生します。
また、比較的簡単に取得できるので050番号は社会的信頼が低いというのもデメリットといえるでしょう。
基本料金と通話料金について
アナログ電話と光電話では基本料金も通話料金にも大きな違いがあります。
アナログ電話の基本料金と通話料金
アナログ電話の基本料金は2通りあり、施設設置負担金を支払う契約(加入電話)と施設設置負担金を支払わないライトプランがあります。
ライトプランは施設設置負担金を支払わない代わりに毎月の基本料金が加入電話よりも高額になっています。
加入権がついている場合は施設設置負担金を支払っているのと同じだから基本料金は加入電話で大丈夫!
アナログ電話は距離により通話料金が変わってきますので、親戚や知人などが遠方に住んでいる場合あまり長電話をすると電話料金の請求額が驚くことになってしまうかもしれません。
加入電話 | ライトプラン | |
---|---|---|
基本料金 | 1,595円~1,870円 | 1,870円~2,145円 |
通話料金 | ||
---|---|---|
固定電話(市内) | 3分/9.35円 | |
固定電話同士(市外-20Kmまで) | 90秒/11円 | |
固定電話同士(20km-60Kmまで) | 60秒/11円 | |
固定電話同士(60Kmi以上) | 45秒/11円 | |
携帯電話へ | 60秒/18.7円~22円 |
加入電話もライトプランも基本料金に幅があります。
NTTの電話の基本料金はどの地域でも同額ではなく、利用する地域によって基本料金に差があります。
市内(区域内)通話で電話がかけられるユーザーの回線数によって1級取扱所~3級取扱所にわかれます。具体的な回線数は以下のとおりです。
・1級取扱所:50,000未満
・2級取扱所:50,000以上400,000未満
・3級取扱所:400,000以上
地域の詳細はこちら→NTT東日本 NTT西日本
光電話の基本料金と通話料金
光電話はアナログ電話に比べ、基本料金も通話料もかなり割安に設定されています。
光電話の基本料金
基本料金 | 550円 |
---|
光電話の月額基本料金はアナログ電話の約1/3程度です。
次に光電話の通話料金を解説していきます。
アナログ電話の通話料 | 光電話の通話料 | ||
---|---|---|---|
加入電話、INSネット、光電話へ | 市内 | 3分/8.5円 | 加入電話、INSネット、光電話への通話料が 全国一律 3分/8.8円 |
県内市外 | 3分/22円~44円 | ||
県外 | 3分/22円~88円 | ||
ケータイへ | NTTドコモ | 60秒/11円 | 60秒/17.6円 |
au | 60秒/33円 |
60秒/19.25円 |
|
ソフトバンク | 60秒/44円 | ||
海外へ | アメリカ合衆国 | 60秒/66円 | 60秒/9.9円 |
中華人民共和国 | 60秒/154円 | 60秒/33円 | |
大韓民国 | 60秒/121円 | 60秒/33円 |
アナログ電話では通話の相手との距離で料金が変わっていましたが、光電話は日本全国一律料金です。
県外に関しては最大で90%も安く利用できます。
また、国際電話も非常に安くなりアメリカへの通話は最大で85%もお得に電話をかけることが出来ます。
アナログ電話を2回線(電話とFAXが別の番号)利用している人はもったいない!
アナログ電話で通話用の電話番号とFAX用の番号が別々になっている場合、多くの場合電話回線を2回線契約しています。
その場合基本料金が倍、月額基本料金が1,870円であれば基本料金だけで3,730円となってしまいます。
光電話なら電話番号の追加が月額110円で利用できるので、電話とFAXの両方を別の番号にしても基本料金と合わせ600円で済んでしまいます。
さらに通話料金も安くなるのでアナログ電話で2回線契約しているのは非常にもったいないといえます。
光電話の乗り換えについて
2回線でも同じ番号がそのまま使えるよ。
インターネット回線をADSL等アナログ回線から光回線に変えるということは電話もアナログ電話から光電話に変更するということです。
そうなると気になるのがアナログ電話から光電話に変更して電話番号がどうなるのかでしょう。
ここからはアナログ電話から光電話に乗り換える際の電話番号について説明していきます。
電話番号をそのまま乗り換え(番号ポータビリティ)
電話番号を変えずに他のインターネット回線に乗り換えることを番号ポータビリティといいます。
ただし番号ポータビリティーはすべての電話番号ができるわけではありません。
- 現在利用している電話番号に加入権がついている場合
- 加入権のない電話番号(ISDN番号やライトプラン)
- 光コラボ事業者で発番した電話番号を他の光コラボレーション事業者へ移動
- 加入権がついたアナログ電話をauひかりやNURO光の光電話の移動
※光発番とは光回線を契約したときに取得した電話番号のことを指します
050以外の電話番号でNTTもしくは光コラボレーション事業者で発番した電話番号は番号ポータビリティが可能です。
- 電話番号が050の場合
- NTTの光発番の番号をNTT以外(auひかりやNURO光)へ移動
- NTT以外のインターネット回線(auひかりやNURO光等)で発番した電話番号
- 市外局番が異なる地域に移転した場合
NTTからauひかり・NURO光の場合には加入権付きの電話番号以外は番号ポータビリティはできません。
インターネットで番号ポータビリティを調べると、光コラボレーションから光コラボレーションの移動は番号ポータビリティはできないという情報が多くあります。
しかしこの情報は古く、2019年7月から事業者変更という制度が始まり、光コラボレーション事業者で発番した電話番号も光コラボレーション事業者であれば、現在番号ポータビリティは可能となっています。
まとめ
アナログ電話と光電話の違いはご理解いただけたでしょうか?
特に光電話については誤解されている点が多く、間違った情報も少なくありません。
光電話に関する間違い易い点を上げると、
- 光電話とIP電話は同じ
- 光電話はアナログ電話よりも安い
- フレッツ及び光コラボから光コラボは番号をそのまま移動可能
以上3点です。
ADSLも終了が決まり、アナログ電話の廃止も決まりました。
インターネットを利用するならば光電話を利用するのが必須といえます。